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「RME Fireface UCX II」はどんなオーディオインターフェース?
「RME Fireface UCX II」は2021年8月に発売されたRMEの新製品オーディオインターフェイス。
世界的にも評判の高いプロフェッショナルな製品を作り続ける、ドイツ発のオーディオインターフェイス製品メーカーRME社ですが、2012年に前身となるFireface UCXを発売しています。
そして約9年の月日を経て、大幅にアップデートされたUCXIIを発売しました。
旧型Fireface UCXは今現在でも中古で価格落ちしないほど人気の製品ですが、それを堅実に引き継いで、さらに機能向上したのがUCXIIです。
新しくなっても変わらない、変えて欲しくはないところをしっかりと押さえ、いろいろな意味で信頼のおけるRMEの質実剛健、大注目製品です!
「RME Fireface UCX II」の音の特徴
UCX IIは一言で伝えると「とにかく原音の再現性が高い」のが特徴です。
- 音の解像度は抜群に良く、ハイファイ(原音忠実)
- 解像度がいいのでもちろんレンジが広い
- 低音に関しては圧よりも明瞭感がある
- 音の成分量はずば抜けて良し(原音再現度が高い)
流行りの音響機器は低音が強調されていたり、やけに高音がキリっとしていたりなど、ユザーの好みに沿った作りになっているので、普段から味付けされた音を聴いている人にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
逆に、”ピュアでいい音”を求める人にとっては、UCX IIを選ばない理由は無いです。
「RME Fireface UCX II」の素晴らしいポイント8つ
①ノイズや処理遅延の影響となるジッター値を1000兆分の1秒単位で抑制する「SteadyClock FS」が搭載
オーディオの信号を最上級に綺麗にし、優れたクロック処理をもたらす「SteadyClock」というRME独自のテクノロジーを改良した「SteadyClock FS」。
1000兆分の1秒と呼ばれる領域のジッターを実現したRMEテクノロジーの集大成がこのUCX IIに詰め込まれています。
専門的な電子回路の話はよくわからない・・・という人に向けて簡単に説明すると
オーディオ伝送における、あらゆる問題点、かなり微細な領域単位でクリアにしてくれるのが「SteadyClock FS」です。
ノイズ、劣化、遅延、音の損失など、全てが生じないような作りになっていると思えばわかりやすいでしょう。
②筐体のサイズにしては多い最大20chの入出力
UCXIIには、アナログ、デジタルともに様々な場面で使用するには十分すぎる20IN/20OUTの入出力があります。
前モデルのUCXは18IN/18OUTでしたので、2つ増えた形になりますね。
また、端子の位置なども前モデルUCXと比べてわかりやすく挿し易い配置になっています。
業務におけるスタジオ・レコーディングやコンサートなどでも活躍できるので、普段宅録で使う人にとってはむしろ多いくらい余裕のある入出力となっています。
また、ADAT端子付きのAD/DAコンバーターを購入すれば、さらに入出力数を増やすこともできるので、どんな環境においても入出力が足りなくなることはないでしょう。
③バックアップなどで活用できる「DURec」USB録音機能
USBデバイスを直接挿し込むことができるという、ありそうでなかった便利な機能が実装されたことに加えてDURec(Direct USB Recording)機能も搭載されました。
DURec機能はUCX IIの入力・出力を直接USBストレージ・デバイスに記録できるといったもの。
バックアップとして使うのがマストの使い方ですが、PCがなくても録音ができることになるので、持ち出しで音を高音質のWAVファイルで録音するといった使い方もできます。
オーディオインターフェースをフィールドRECに持っていくという選択ができるようになった大きな改良点です。
④フロントパネルのボリュームノブが端配置
前モデルのUCXはヘッドフォンを挿し込んだ時、ノブを回そうとすると、手にヘッドフォンのコードが当たって回しづらい配置になっていました。
ですが、UCX IIは正面右端にノブが設置されたことによって、ヘッドフォンを挿していても手に当たらずノブを操作することが可能になりました。
これは前モデルのUCXを使っていた人にとっては、大きな改善点となったことと思います。
些細な操作性は長く使うほどに、気になってくるところなので、そういった面でもUCX IIはアップデートされているのを感じます。
⑤電源アダプターが抜けづらいロック機能
基本的にその場から動かすことのないオーディオインターフェースで電源アダプターが抜けるといったことは、あまり無い事態です。
しかし、万が一電源コードを引っ張ってしまった時でも、UCXⅡにはアダプターロック機能があるので簡単に抜けず、安心して使うことができます。
アダプターの穴をよく見ると、ただの丸ではなく提灯形になっており、形を合わせて差し込んだ後に捻ってロックする感じになっています。
また、アダプターロック機能があることによって、端子差込口がブレたりせず接触不具合を起こすことがありません。
経年による電源部分のガタつきなど防止にも役立っている嬉しい機能です。
⑥iPhoneやiPadに接続できる「CCモード」
iPhoneやiPadに接続して使える「CC(クラス・コンプライアント)モード」が搭載されています。
iPadでTotalMix FXを使用し、完全リモートコントロールすることや、iPhoneへの音声出力など、様々なシーンでUCXⅡを使うことができます。
⑦PCいらずのスタンドアローン・モード
ルーティング、エフェクト、プリセット切り替えを含む、UCXⅡ全ての機能がコンピューターを使わずにスタンドアローンで使えるといったスマートな機能。
パソコンを持っていない人でも最高クオリティの音を扱うことができる、現代にマッチしたオーディオインターフェースとして進化しています。
スタンドアローンでDURec機能を使えば、電源に加え、マイクとUSBメモリとUCXⅡで野外の環境音を高音質で録音するといった使い方もできるので、RECの幅が広がります。
「RME Fireface UCX II」を買うべき理由3つ
①10年以上現役で長く使えるオーディオインターフェースだから
RMEの製品は長く使うという点において、他のインターフェースよりもかなり強いです。
その理由は「音に色付けせず、いかにそのままの音を録音できるか」にこだわって作られた製品だからです。
他社の場合、製品によってはプリアンプ部分の味付け込みで”いい音”を表現していることもあり、それは長く使えば使うほど飽きが来たりします。
また、耳が肥えることによって、RECされた音に違和感を覚え、結局はピュアな音を追求し新しい製品に手を出し始めます。
要するに、結局は原音忠実さにおいて最上のUCXⅡに帰結するのです。
時が10年経とうと原音忠実のUCXⅡの良さは不変のもの。これが10年以上長く使える理由です。
実際に前モデルのUCXは、中古価格でも値崩れせず、UCXⅡが発売された今現在でも前モデルをセレクトする人もいます。
②同価格帯のオーディオインターフェースのなかで最も安定性が優れているから
UCXⅡは同価格帯のハイエンドオーディオインターフェースの中で最も安定しています。
よく比較される「UNIVERSAL AUDIO」や「ANTELOPE AUDIO」の製品に関しては、ユーザーや環境を選ぶというか、クセのある製品なので、どんな人でも安定して使いやすいとは言い難いです。
また使う人の機材環境によっては、変な動作不良を起こすなどはよく耳にします。
その中でもRME製品は、いい意味でクセが少なくて、どんな環境でも安定した動作を発揮します。
③RMEの音質は「何も足さず何も引かず」の超絶ピュアな音質だから(これ大事)
RME自体がピュアな音を追求し、それを強みにしているため、音楽制作やレコーディングなどではかなり使いやすいです。
楽器本来の音の再現性はずば抜けて高く、帯域ごとの繊細な音もよく聴こえるので、制作からマスタリング、完パケまで一貫して使えます。
「バウンスしたら制作中に聴いていた音と違う・・・」などの悩みも生まれることはないでしょう。
「RME Fireface UCX II」はなぜ品薄なのか?入荷や在庫チェック場所も紹介
「RME Fireface UCX II」が品薄で市場にあまり在庫が無い理由は、世界的な新型コロナウイルスの影響で製品工場の操業停止、物流の停滞が起こっていることがまず一つ。
そして、コロナ禍でテレワークが増加したことによって、半導体を必要とするPC需要が増加したことが二つ目の理由です。
半導体の需要が上がったけれど、半導体自体がまず市場に流れず、製品の生産も停滞しているから需要に供給が追いついていないということですね。
こうした背景があるため、コロナウイルスが終息するまでは、品薄状態が続くと考えられます。
品薄時期に「RME Fireface UCX II」を購入するためにやった事
僕が品薄状態の「RME Fireface UCX II」を入手できたのはなぜか。
それは毎日あることを欠かさず、行ったというのが大きな理由です。
それらを次の項目から一つずつ説明していきます。
①Twitterで毎日「RME UCX」をエゴサし楽器屋アカウントの在庫復活情報を確認
Twitterで毎日数時間おきに「RME UCX」をエゴサし、入手情報や在庫復活状況を確認していました。
たまに「〇〇で在庫復活していたから買った!」などのツイートがあります。
そのツイートをみて瞬時に反応し、該当サイトへ確認するなどをやっていました。
②定期的に楽器屋へ在庫確認の問い合わせをして最新の情報を入手
UCXⅡを取り扱っている楽器屋へ、定期的に在庫確認しにいっていました。
電話・来店、どちらもやっていました。長年の付き合いで仲の良いスタッフがいるのですが、丁寧に在庫や流通情報を教えてくださって、とてもありがたかったですね。
常日頃から楽器屋に行って商品を購入して、スタッフとのつながりを深めることは、大事ですね。
③販売サイトを毎日数時間おきにチェック(これが一番メイン)
デジマートやサウンドハウスなど、UCX IIを取り扱う販売サイト全ての更新情報を毎時間チェックしていました。
今回UCX IIを購入できたのは、この方法です。
いつ入荷するかもわからない商品のページを毎時間単位で更新をかけていたので、なかなか根気のいる作業でしたが、たまたま在庫が復活している場面に遭遇し、即購入しました。
特にどのサイトをチェックしていたかは、次の項目でまとめています。
【ブクマ必須!】「RME Fireface UCX II」の購入場所まとめ
主にチェックしていた購入場所とページは以下になります。
他にも予約サイトなどをチェック!
「RME Fireface UCX II」と「RME Babyface Pro FS」の違いと勝る点
音質はどちらも誤差レベルの違いしかない
UCX IIとBabyface Pro FSの音質に関しては、誤差レベルの違いしかありません。
強いていうなら筐体のパワーによる、音のエネルギッシュな部分が若干UCX IIの方が上、という感じです。
どちらも「SteadyClock FS」を搭載しているので、音の精度に関しては「どっちもいい」という結論に至りました。
発熱性はどちらも同じ予測温度だが機能の多い「RME Fireface UCX II」のが体感高め
機材を使用することによる発熱においては、UCX IIの方がやや高めです。
これは筐体や機能数などの影響によるものなので、不具合的なものではありません。
また、Babyface Pro FSはある程度、使い方が限られているので、そこまで発熱することはありません。
持ち運びやすさ・スマートさは「RME Babyface Pro FS」の勝ち
これは圧倒的にBabyface Pro FSの勝利です。
というか元々、そういったコンセプトで作られている製品なので、UCX IIが負けるのは仕方ないです。
また、Babyface Pro FSはUSBによる電源供給が可能なので、PC一つあればどこでも利用できます。
いろんな場所に持ち歩きたい場合はBabyface Pro FSを選択するのがいいでしょう。
入出力やシステム構築の数は「RME Fireface UCX II」の勝ち
持ち運びやすさやスマートさはBabyface Pro FSに劣りますが、その分システム構築の選択肢はUCX IIが勝ちます。
UCX IIはさまざまなルーティングが可能なのと、接続できる機器の選択肢が多いので、音響にこだわる人であっても満足できる製品です。
電源については選択肢の多い「RME Babyface Pro FS」の勝ち
電源供給に関してはBabyface Pro FSの方が、選択肢が多いので勝ちです。
USBでの電源供給があるのは、強いですね。
USB3バス電源と、ほとんどのUSB2バス電源で完全に安定した動作が発揮できるので、場所を選びません。まさにコンセプト通りの製品です。
結論「RME Fireface UCX II」と「RME Babyface Pro FS」どっちがいい?
UCX IIとBabyface Pro FSのどっちがいい?という結論ですが、
持ち歩きたいしデスク周りをスマートにしたいなら「Babyface Pro FS」
しっかりとした音響システムを構築したいなら「 Fireface UCX II」
という感じになります。
音質でどちらがいいという判断では無く、取り回しで選んで良いといえます。
あとは価格ですね。「Babyface Pro FS」の方が数万円ほど安いので、そこで選んでも良いでしょう。
参考:価格.COM | Babyface Pro FS | Fireface UCX II |
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最安価格(2022年2月現在) | 115,500円 | 172,990円 |