2022年1月にイリアムで投稿コンテンツの審査強化がされました。
ざっくりわかりやすく例えるとアプリのストア(主にApple)から
「あなたのアプリ児ポ法とか抵触大丈夫?児童キャラが飲酒配信とか大丈夫そ?ちょっと色々とコンテンツ審査緩くない?」
的な意味合いで怒られたようです。
そこでイリアム運営は審査強化をしていくのですが、その内容が一部のライバーにとっては大きな影響を及ぼすものでした。
この記事では、過去にiOSアプリ開発に携わったことのある僕の経験も踏まえて、イリアムのコンテンツ審査強化、アプリストアの規制について解説していきます。
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イリアム内で使われるコンテンツ審査が強化!アプリストアの審査規制とは?
2022年の1月にイリアム内で使用されるコンテンツへの規制が強化されました!
主にイラストやアイコン、その他プロフィールや配信全般に関わるコンテンツの利用規制がこれまで以上におこなわれるようです。
まずは、アプリの審査規制について語っていきます。
アプリストアの審査規制って何?
AppleやGoogleのアプリストアでは、どんなアプリでもOKというわけではなく、ストアの審査を通過したアプリだけがサービスを提供できます。
審査通過後にサービス提供が始まったとしても、その後に審査基準が満たされていない場合、サービス提供の取り消しがおこなわれ、改善がいつまでもされない場合サービス提供終了となります。
そのため、各所が出しているアプリ開発におけるガイドラインをしっかりと守る必要があります。
iOSアプリのAppleを一例にすると、開発者向けに「App Store Reviewガイドライン」というものがあります。
アプリストアの審査規制について特に厳しいのはApple
基本的にアプリストアといえば「iOSを扱うApple」と「Androidを扱うGoogle」の2社があります。
両者の審査方法について大きな違いとして、まずAppleは「App Reviewと呼ばれる部門のエキスパート社員がすべてのアプリを手動で確認」しています。
幅広い人の利用を想定しているGoogleと違ってAppleは
「Appleを利用するユーザーからみる会社の品位や価値を最も大事にしている」
ことから、なんちゃって審査ではなく厳格な審査体制をとっています。
また、Appleは開発よりもリサーチに重きを置いている会社なので、アプリがユーザーや世間に与える影響を常に考え、安全かつ高品質なものの提供を心がけています。
そのためAppleだけ審査が通らない問題がずっと続いて、何回もデバッグ・修正が必要で開発者は地獄をみるということもよくあります。(経験談)
Appleなどのアプリ審査規制の多くは「”未成年”のお色気」がダメ
世界的にみると日本は児童ポルノに関しての許容範囲が甘くて広いので、ロリ規制で憤るライバーも多いかもしれません。
しかし、大元が欧米のAppleやGoogleなどは日本基準ではなく、世界基準で審査しています。
特に欧米諸国の児童ポルノにおける観点でいうと「イラストも被害者」という極論主張もまかり通るくらい児童ポルノについて厳しく取り締まっているのが現実です。
それはアニメや漫画などの非実在児童ポルノも同じで、そういったイラストを単純所持で逮捕などもよくある事です。
そのため、アプリにおいてもAppleは未成年がエロ売りしているようなイラストやコンテンツを特に厳しく取り締まっているという事です。
今回イリアム運営が怒られたのも、その部分です。
なぜイリアムがAppleやGoogleなどのアプリストアから審査基準の指摘を受けた?
イリアムはこれまで比較的に自由だったからこその無法地帯感があったのは否めません。
そしてイリアム自体も大きくなっていくにつれ、あらゆる人に認知される可能性が高まりました。
では、どういった原因でアプリストアから怒られたのか。iOSアプリの開発やプレスリリースに携わったことのある僕の経験から、予測的に語っていきます。
イラスト(外見)の自由さがかえってストアの明示する児童ポルノに抵触した可能性
あらかじめパーツが決められているような他のバーチャル配信アプリと比べると、イリアムは自作の絵を動かせるという点において、配信キャラクターの自由度がかなり高いです。
そのため、未成年のキャラクターをイメージした女の子や男の子に少し性的な表現を含ませることも可能な状態でした。
そして、アイコンやプロフィール欄も自由度が高い。
これら総合的に判断したときに、イリアムは児童ポルノ法に抵触される可能性が極めて高いという点で、Appleから怒られたという流れでしょう。
Appleなどは欧米諸国が大元なので、日本の基準は通用しないのが基本ですね。
未成年のキャラが企画での飲酒や性的表現をしている事による影響もあり
バーチャル配信はキャラクターにリアルさを与えるモノという考えも少なからずあります。
バーチャルライバーはバーチャルとリアルの間に存在する感が特に強く、ライバー自身の行動もよく考えて行動しないと、リアルと同じように炎上します。
そういった背景がある中、あくまで設定とはいえ幼児設定でプロフィールにも5歳と明示し飲酒配信や少しエッチな配信をしているという事実があれば、それは当然の如く欧米諸国から見れば規制対象になります。
ロリキャラのお色気があるゲームアプリはたくさんありますが、リアルの絡みも介在するような配信アプリでは特に規制は厳しくなります。
実際、リスナーとリアルで繋がれちゃう状況を作り出せるのですから。
そうなったとき、欧米諸国目線では「5歳児の女の子とリアルでつながった疑いがあるから児童ポルノ法的にアウト!」ってなるのは必然ともいえます。
ロリ/ショタ絵・ロリ/ショタ設定は審査対象となるのか
性的指向を狙ったものや明らかに幼児だとされる絵は審査対象となる恐れがある
ロリ/ショタキャラクター自体が悪いわけではないですが、その感覚は日本特有のものだということを再認識しておく必要があります。
ロリ/ショタの何が悪いんだ!表現の自由だ!と憤怒している人もいるかもしれませんが、残念ながら欧米諸国目線では2次元であれ、アウトです。
イリアムにおける具体的な回避策としては、以下のようなものが挙げられると思います。
- ロリ/ショタキャラ運用ではなく、あくまで成人済みキャラとしての運用をする
- ランドセルなど幼児・児童を連想させるアイテムを身に付けない
- ナイフや凶器など犯罪を連想させるモノと血などを掛け合わせたイラストなどは避ける
もっと細かく対策すれば安心ですが、明確にどのパーツはダメ、どのくらいの肌露出はダメというのはアプリストアとイリアム運営の判断となります。
水着イラストなども削除対象!サキュバスなどもアウト!露出高めは全てアウト!
基本的に、水着など肌露出の高い衣装を着たキャラクターは「削除対象」になるとイリアム 運営が明示しました。
「水着ってそういうものでしょ?水着がエロく見る側がおかしいんじゃ?」って疑問視する人もいるかもしれませんが、残念ながら児童ポルノ的にアウトなのが現実です。
客観的にみて性的特徴を強調したものは全てアウトだと思っておいた方が無難かもしれません。
今後のイリアム利用で審査対象にならないようにおさえるべきポイントと対策
プロフィール欄に未成年だということを明示する言葉を書かない
未成年キャラクターで売っていたライバーさんは残念かもしれませんが、未成年主張はなくした方がいいでしょう。
その方が飲酒や喫煙表現などいろいろ厳しい目で見られずに済みそうです。(明らかに児童の姿でタバコを加えるなどはダメですが)
そもそも、このアプリの利用における年齢制限は「17歳以上」という点も踏まえて、キャラクター作りをしましょう。
素肌をみせすぎたり、体のラインが明らかに裸同然のキャラにしない
性的表現はもともとある程度規制されていましたが、もっと厳しくなることが予想されます。
キャラクターイラストにおいてもお色気で攻めすぎないようにした方がいいでしょう。
まあパンツ丸出しのキャラクターはいないと思いますが、サキュバスなど素肌が見えている比率が高いキャラや、体のラインを服よりも強調しすぎているキャラクターなども注意が必要です。
特に胸元は注意で、BANされているライバーの姿では谷間強調は全てアウトに近い形に規制されているようです。
肌が出ていなくてもApple的にダメ!って言われる事って実はたくさんあるのです・・・
相手目線で考えたときに誹謗中傷や暴言と取れるコメントをしない
これは当たり前のことなんですが、暴言や誹謗中傷は引き続き気をつけましょう。
特に今回の規制で、運営も一段と厳しくライバーたちの配信を監査します。
キャラクター設定としての暴言キャラなども、規制される可能性はあるかもしれません。
リスナーもライバーも思いやりを忘れずにトークしましょう。
今現在露出度が高いライバーさんは「イラストのママパパさんなどに”肌隠し”肌着書き足し修正を依頼する」
「お金を払ってせっかく用意したキャラクターなのに、今回の審査でダメになるかもしれない・・・」
「肌の露出が少し不安材料・・・」
このような悩みを抱えているライバーさん、一気に増えたと思います。
自分で新規立ち絵を用意できれば、それに越したことはないのですが、なかなか難しいライバーさんも多いでしょう。
その時は、イラストを作ってくれたママパパさんや、ツイッターなどで肌隠し・肌着書き足し修正を受け付けている人に依頼してみるのも良いかもしれません。
一時凌ぎの対策ではありますが、今回の審査規制で苦しんでいるライバーさんを助けたいという気持ちを持ったママパパさん、絵師さんがキャラクターの命を繋いでくれるので、イベントにも安心して参加できるようになります。
新規立ち絵の準備している間にも配信ができるので、とりあえずの対策としてはかなり有効でしょう。
肌着書き足し修正の依頼を受けてもいいよ!という絵師さんやセルフ受肉ライバーさんはこちらからご連絡いただければ、当記事にも依頼ツイートを掲載します!
イリアム運営のお知らせをイメージしやすく簡単に要約!
今回のイリアム運営が指摘された点は主に「小児性愛の誘因・想起」
今回の件に関しては、誹謗中傷などの問題ではなく、性的部分の観点からの指摘のようです。
ロリ/ショタは日本ではひとつのジャンルかもしれませんが、欧米諸国では規制が厳しいものです。
なので、そういった部分を強調しすぎるようなキャラクターで配信はできないと思った方がよいかもしれません。
審査対象は「文字画像コンテンツ全て」審査はあくまでイリアム内だけに限定
ユーザーが審査されるコンテンツは以下。
- 配信キャラクターのイラスト(LIVE2DやVRMも全て)
- プロフィールアイコン
- プロフィールヘッダー画像
- ニックネーム
- 自己紹介プロフィール
- 配信タイトル
未成年に見えるキャラクターががタバコを加えていたり、酒瓶を持っているのも審査対象として扱われます。
対象イラストについて画像説明がイリアム公式から明示されました。
ちなみに、今回の審査はイリアム内だけの話なので、Twitterとか別媒体で楽しむとよいでしょう。
削除対象は「性的・暴力的な表現の言葉とイラスト」水着もダメ!
特にイラスト部分ですが、性的・暴力的な表現を強調したものは「削除」されます。
性的な印象って千差万別ですが、肌露出が70%程度だとアウトラインかもしれません(それ以下でも性的部分があらわになっているなどは例外として)
「水着」もしっかりと明記してあるので、夏でも服を着なくてはいけませんね!
自分のコンテンツが対象かどうかは個別に確認できない!イリアムとアプリストアのガイドライン読もう!
自分のコンテンツが審査対象かどうかは、イリアム運営に問い合わせしても回答はできないようです。
そのため、ガイドラインと世間の常識2つの観点でコンテンツを用意することが大事です。
参照:イリアムサービス利用規約
自分のコンテンツが削除されたら繰り返し修正!今回の件での凍結やアカBANは無し!
もしも、自分のプロフィールやイラストが削除された場合、必要な修正を何度もおこなって問題を解消してくださいとのこと。
また、必要な修正はどこなのか?という具体的な質問には答えられないので、やはりガイドラインをしっかりと理解することが重要です。
今回の規制によって対象となったアカウントにおいて、アカウント停止(アカBAN)やアカウント凍結は「無い」とのことです。
サムネと配信キャラクターは別基準で審査される
サムネイルやアイコン、配信キャラクターはそれぞれ違う基準で審査されるとのこと。
かなり厳しめにみられるところは「サムネイル(配信一覧で表示されるもの)」です。
「多くの人が意図せずに見れてしまう箇所だから」ということが理由のようです。
削除になったらコンテンツ部分はデフォルトに戻される!自己紹介のバックアップしておこう!
削除対象とされた場合、該当部分はイリアムの初期デフォルトになるとのこと。
もしも自己紹介が消されたら、初めから書き直しなのでバックアップしておくとよいでしょう。
審査に関わるスタッフを大幅増強!24時間体制でみられるぞ!
アプリ存続がかかっている事態なので「イリアム違反ライバー一斉検挙」という感じで運営は動くでしょう。
これまでよりも監査人数が増え、毎日24時間体制で僕たちライバーやリスナーがみられるので、これまで以上に治安改善を意識してアプリを使いましょう。
設定年齢で小児・児童はNG!明示しない方が無難かも
これまで、未成年やロリ/ショタキャラで運用していたライバー的には、アイデンティティが失われ、非常に辛いと思いますが、イリアム内では年齢については明示しない方が都合よく動けそうです。
設定年齢であっても「15歳以下」など明らかに児童を表現した表記が見つかった場合、イリアムは削除対象にするとのことです。
今回のイリアム規制が強まったことによる課金意識のユーザーアンケート
イリアムの規制が強まったことで、今後イリアムにどれだけお金を落とすのかをイリアムユーザーをターゲットにTwitterのアンケート機能を利用して意識調査してみました!
結果は以下のようになりました。
- 今後も以前と使うお金は変わらない 56.6%
- また問題が起きたら怖いからなるべくお金を使わない 19.7%
- イリアムやめます 19.7%
- 運営応援のために以前よりもお金使う 4.1%
半数以上が今後も使うお金は変わらないという結果で、特に規制されたことで課金意欲が下がるなどの影響は少ないと考えられます。
次いで、お金をなるべく使わないようにするのと、イリアム自体をやめると回答した人が同じくらいの割合になっています。
イリアムをやめてしまう人が全体の2割いるのは、運営としては痛いですね。
また、今回の規制で最も影響を受けたのはライバーということもあり、イリアムをやめると回答した人のほとんどがライバーであると予想できます。
↓アンケート調査結果
イリアム民に質問です!
今回のイリアムにおける規制で、今後もイリアムにお金を使う気があるのか、もしくはないのか、ぶっちゃけどうですか
ライバーなら新規衣装や配信コスト、リスナーなら投げ銭等のお金
このツイートみたイリアムユーザーどう思います?#IRIAM #イリアム
— デジタルクリエイター | 💫かっちぃ💫 (@katty_gi_tan) January 18, 2022
「配信アプリ」はバーチャルでもでリアルの面が介在するアプリである事を忘れてはいけない
バーチャルなのに規制をするのはやりすぎだ!という声もちらほらある中で、知っておいた方がいい事は「日本は世界的にみてかなり表現規制が緩い国」という事です。
日本に住んでいる僕らの感覚では、少し外見が若いキャラクターの何がダメなのかが無意識のうちに薄れていくこともあるでしょう。
今回のイリアムコンテンツ規制は、バーチャルであっても、表現には細心の注意を払う必要があることを再認識させられる事案でした。
またバーチャルライバーは生配信によって、リアルの側面も強く出てしまうこともあります。
その辺りをしっかりと自覚し、配信活動を充実させていきましょう!